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皆さんこんにちは!
鷲頭牧場、更新担当の中西です。
本日は第14回牧場雑学講座!
今回は、注意についてです。
食用牛、特に黒毛和種のような高品質な和牛を育てるには、日々の小さな管理が大きな成果に直結します。単に体重を増やすだけでなく、肉質・歩留まり・ストレス管理を総合的に考えた育成が必要不可欠です。
食用牛牧場での育成において特に注意すべきポイントを、現場目線で深く解説します。
食欲の低下、排便の異常、歩行状態などをチェック
発熱や咳、鼻汁は感染症の初期兆候
早期発見・早期隔離で群れへの感染を防止
病気が長引くと肥育効率が下がり、出荷月齢にも影響
反芻動物としての特性を活かし、胃腸にやさしい構成に
急激な濃厚飼料の増加は、ルーメンアシドーシス(胃酸過多)や食欲不振の原因
サイレージの発酵状態、乾草の保存状態を常に確認
雨天時の飼料カビや夏場の過発酵に注意
️ 飼料の質がそのまま肉の味と脂質に影響するため、“食べさせる内容”が命
寝床の乾燥と清掃:糞尿が残ると蹄病・皮膚病のリスク増大
換気:湿気・アンモニア濃度が高まると呼吸器病が増加
防虫・防鼠対策:感染症の媒介を防ぐ
「清潔」「乾燥」「通風」が整っている牛舎は、牛の行動も穏やかになり、発育が安定
大きな音、急な接近、移動頻度の多さはストレス源
夏季の高温は「暑熱ストレス」として食欲減退や体重減少を招く
牧場スタッフとの関係性も大切:「優しい声かけ」「静かな誘導」で牛の警戒心が下がる
ストレスが少ない牛は肉質の向上につながる(サシの入りや柔らかさ)
週単位の体重増加を把握して給餌量や飼料構成を調整
「よく食べてる=順調」ではない。データ管理で傾向をつかむ
育成の結果は“数字”で振り返る。PDCAサイクルの導入が重要
食用牛の育成は、「同じことを繰り返す仕事」ではありません。それぞれの牛に合わせた健康管理・環境調整・給餌計画が必要です。そしてその丁寧さこそが、高品質な肉を生み出す“職人技”の核心なのです。
“餌を与える”だけでなく、“成長を見守る”という姿勢が、価値ある一頭を育て上げる原動力になります。
鷲頭牧場では、畜産をもとにした加工や販売も行う6次産業型の牧場を運営しています!
私たちの牧場は、九州の「屋根」とも呼ばれるくじゅう連山のふもと、標高1000mの飯田高原にあります。ここで育てた安全で安心な食材を、農家レストランで直接みなさんにお届けしています。
広々とした自然いっぱいの牧場で、四季の移り変わりを楽しみながら、かわいい子牛や山羊、馬、猫たちがみなさんをお待ちしています!雄大な景色と元気いっぱいの動物たちの笑顔に、どうぞ癒されてくださいね。
皆さんこんにちは!
鷲頭牧場、更新担当の中西です。
本日は第13回牧場雑学講座!
今回は、育成年数についてです。
食用牛、特に黒毛和種などの和牛は、一般的に生後28〜30ヶ月齢(約2年半)で出荷されます。これは牛の本来の寿命(約20年)のわずか1/10程度であり、なぜこの時期に出荷されるのか疑問に思う方も多いでしょう。
出荷月齢がこの時期に設定されている理由を、肉質、経済性、品種特性の観点から詳しく解説します。
肉用牛の育成は大きく以下の3段階に分かれます
繁殖・育成期(0〜9〜10ヶ月齢)
母牛から生まれた子牛は、約9〜10ヶ月齢まで繁殖農家や育成農家で育てられます。この時期の健康管理が、後の肥育に大きく影響します。nbafa.or.jp+2ノベルズグループ+2農林水産省+2
肥育期(10〜30ヶ月齢)
「素牛」と呼ばれる育成牛を導入し、約20ヶ月間かけて肥育します。この期間に筋肉と脂肪をバランスよく増やし、理想的な肉質を目指します。zinpro.jp+2ノベルズグループ+2nbafa.or.jp+2
出荷(28〜30ヶ月齢)
肉質や体重が最適な状態になった時点で出荷されます。このタイミングが、肉の品質と経済性のバランスが取れた最適な時期とされています。中央畜産会
このように、出荷までには約2年半の時間を要します。これは、肉質の向上と経済的な効率を両立させるための期間です。
和牛の特徴である霜降り(脂肪交雑)は、一定の月齢を経てから形成されます。特に黒毛和種では、28〜30ヶ月齢で脂肪の質と量が最適となり、柔らかく風味豊かな肉質が得られます。
肥育期間を延ばすことで飼料費や管理コストが増加しますが、肉質の向上により高価格での販売が可能となります。このバランスを考慮すると、28〜30ヶ月齢での出荷が経済的にも最適とされています。
品種によって成長速度や肉質の変化が異なります。例えば、黒毛和種では28〜30ヶ月齢が最適ですが、他の品種では異なる場合があります。それぞれの品種特性を考慮して、最適な出荷時期が設定されます。
品種 | 出荷月齢(目安) | 特徴 |
---|---|---|
黒毛和種 | 28〜30ヶ月齢 | 霜降りが豊富で高級肉として評価される |
交雑種(F1種) | 24〜26ヶ月齢 | 成長が早く、肉質と経済性のバランスが良い |
乳用種(ホルスタイン種) | 18〜22ヶ月齢 | 成長が早く、赤身が多い肉質が特徴 |
アメリカン・ブラック・アンガス | 15〜18ヶ月齢 | 成長が早く、赤身中心の肉質が特徴 |
このように、品種ごとに最適な出荷月齢が異なります。それぞれの特性を理解し、適切な肥育管理を行うことが重要です。
近年、飼料価格の高騰や環境負荷の軽減を目的として、肥育期間の短縮が検討されています。早期出荷によりコスト削減が可能ですが、肉質の低下や市場価格の下落といった課題もあります。今後は、飼料の改良や育種技術の向上により、短期間で高品質な肉を生産する技術の開発が期待されています。
食用牛の出荷月齢は、肉質の向上と経済的な効率を両立させるために設定されています。特に黒毛和種では、28〜30ヶ月齢での出荷が最適とされ、高品質な和牛肉として市場で高く評価されています。今後も、消費者のニーズや市場の変化に対応しながら、最適な出荷時期の見直しが行われていくでしょう。
鷲頭牧場では、畜産をもとにした加工や販売も行う6次産業型の牧場を運営しています!
私たちの牧場は、九州の「屋根」とも呼ばれるくじゅう連山のふもと、標高1000mの飯田高原にあります。ここで育てた安全で安心な食材を、農家レストランで直接みなさんにお届けしています。
広々とした自然いっぱいの牧場で、四季の移り変わりを楽しみながら、かわいい子牛や山羊、馬、猫たちがみなさんをお待ちしています!雄大な景色と元気いっぱいの動物たちの笑顔に、どうぞ癒されてくださいね。