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月別アーカイブ: 2025年6月

第16回牧場雑学講座

皆さんこんにちは!

鷲頭牧場、更新担当の中西です。

 

本日は第16回牧場雑学講座!

今回は、働きがいについてです。

 

畜産、特に食用牛牧場での仕事は、単に動物の世話をするだけではありません。命を預かり、食卓の未来をつくる仕事として、深い責任と感動に満ちた日々があります。ここでは、牧場で働く人々が感じている“働きがい”について、多面的に掘り下げてご紹介します。


1. 命を育てるという原点的な仕事

■ 毎日の世話が生きものに直結する

  • 餌やり、水の補給、体調管理など一つひとつが牛の健康に影響

  • 生まれたばかりの子牛の呼吸を確認し、初乳を与えるときの“生の実感”

■ 日々の努力が肉質となって現れる

  • 目の前の牛が健康に育ち、数年後に「美味しい」と評価されるまでを見届ける

  • 自分が関わった牛がブランド牛として認められる喜び

「今日の一手間が、明日の美味しさになる」という実感がモチベーションになるのです。


2. 牧場ならではの“成長”がある

■ 技術の習得=命への理解

  • 牛の表情、食欲、歩き方、フンの状態などから健康を見抜く観察眼

  • 予防接種、去勢、分娩介助、品種改良など専門技術の習得

■ 経験が自信につながる

  • 「この子牛は元気に育ちそうだ」「この飼料配合なら脂の乗りが良くなる」など、感覚が技術に変わる瞬間が訪れる


3. 社会とのつながりを実感できる

■ 「いただきます」の源を担う意義

  • 食肉として出荷される瞬間は、やはり複雑な感情も伴う

  • だからこそ、「自分たちが育てた牛は美味しく、安全であるべき」という使命感が芽生える

■ 消費者との距離を縮める仕事

  • ブランド牛のイベントや見学ツアーなどで、直接消費者と接する機会もあり、「美味しかった」の一言が大きなやりがいになる


4. 仲間と働く現場の一体感

■ チームワークが必須の仕事

  • 朝晩の作業、出荷の準備、分娩対応などを助け合って進める日々

  • 厳しい環境の中だからこそ、「この仲間となら乗り越えられる」という連帯感が生まれる

■ 世代を超えた技術の継承

  • ベテランから若手へ、観察眼や配合の感覚が語り継がれる

  • 地元高校生や研修生が来ることも多く、“教えることの誇り”も感じられる


5. 課題もあるが、それ以上の価値がある

  • 早朝からの仕事、季節や天候に左右される体力面の厳しさ

  • 命を見送り、送り出すときの精神的負担

  • しかしそのすべてが、「この仕事だからこそ得られる感動」につながる

“命に向き合うからこそ、仕事に意味がある”――それが多くの牧場従事者の本音です。


おわりに

食用牛牧場で働くことは、命と向き合いながら、人々の暮らしに直接貢献する誇りある仕事です。牛たちの成長を見守り、味わいの根源を支えるという「つくり手の誇り」は、他のどんな職業にも代えがたい“働きがい”を与えてくれます。

 

鷲頭牧場では、畜産をもとにした加工や販売も行う6次産業型の牧場を運営しています!
私たちの牧場は、九州の「屋根」とも呼ばれるくじゅう連山のふもと、標高1000mの飯田高原にあります。ここで育てた安全で安心な食材を、農家レストランで直接みなさんにお届けしています。

広々とした自然いっぱいの牧場で、四季の移り変わりを楽しみながら、かわいい子牛や山羊、馬、猫たちがみなさんをお待ちしています!雄大な景色と元気いっぱいの動物たちの笑顔に、どうぞ癒されてくださいね。

お問い合わせはこちらから!

第15回牧場雑学講座

皆さんこんにちは!

鷲頭牧場、更新担当の中西です。

 

本日は第15回牧場雑学講座!

今回は、ごはんについてです。

 

「ステーキの味は牧場から始まっている」と言われるほど、牛の餌の品質と配合は、肉の風味・柔らかさ・脂の質に直結します。牧場経営者は、餌へのこだわりを通じて、消費者に届ける食肉の価値を高めています。

餌の選び方から、生産者の工夫、味の違いに至るまで、牛肉の原点に迫ります。


1. 餌の基本構成とその意味

■ サイレージと乾草

  • サイレージ(発酵飼料)は微生物の働きで消化吸収率が高く、甘みと旨味の基礎に。

  • 乾草は繊維質が豊富で、胃を健康に保つ役割。脂肪の質にも影響します。

■ 穀物(トウモロコシ・大麦・小麦など)

  • 穀物中心の飼料はエネルギーが高く、霜降りを生んでやわらかな口当たりに。

  • グラスフェッド中心では、肉の赤身に直球的な風味が出ます。


2. 牧場の特性に応じた餌の工夫

■ 地元産原料へのこだわり

  • 飼料トウモロコシを自分の牧場で栽培することで、安心・安全、さらにコスト削減にも。

  • 自然循環型農業として、穀物の未利用部分(皮・茎)を飼料に再利用する例もあります。

■ 発酵技術の活用

  • 発酵段階で乳酸菌や酪酸菌を加え、**香りや甘味を強化した“プレミアムサイレージ”**を作る牧場も。

  • 夏の発酵温度管理など、品質安定の技術が味に差をもたらします。


3. 餌と味の深いつながり

■ 柔らかさとジューシーさ

  • グレイン(穀物)飼料は脂の甘みが強く、赤身と脂が見事に融合。

  • 逆にグラスフェッド主体だと、しっかりした肉質としっとり感が得られます。

■ 風味の違い

  • 「トウモロコシ肥育牛」は甘い香りとミルクの余韻を持つ。

  • 「牧草飼育牛」は草の青みとミネラル感が心地よく、後味に清涼感が残ります。


4. 餌へのこだわりが生むプレミアムブランド

■ 餌配合をブランド化

  • 「〇〇牧場のサイレージ牛」は、ブランド化に成功し高価格帯で評価。

  • 消費者に「〇〇の味」として認識され、販路やファンが確立されている例もあり。

■ 餌から肉質まで一貫管理

  • 飼料配合、飼育期間、発酵・保存管理、屠畜・熟成まで一貫して品質を管理。

  • 持続可能な飼育方法として、環境・地域・味のトリプルバランスを評価されます。


5. 持続可能性と餌の未来

  • 飼料由来飼育コストの最適化や、環境負荷を軽減する配合が進む。

  • バイオマス飼料や未利用資源飼料(麹や野菜くずなど)の活用が広がり始めています。

  • 今後は、味と環境負荷の両立が、消費者にも求められる基準となるでしょう。


おわりに

食用牛牧場にとって、“餌”は単なる“食べ物”ではなく、「味の設計図」そのものです。こだわり抜かれた餌は、肉の美味しさだけでなく、農場と消費者をつなぐブランドにもなります。

 

鷲頭牧場では、畜産をもとにした加工や販売も行う6次産業型の牧場を運営しています!
私たちの牧場は、九州の「屋根」とも呼ばれるくじゅう連山のふもと、標高1000mの飯田高原にあります。ここで育てた安全で安心な食材を、農家レストランで直接みなさんにお届けしています。

広々とした自然いっぱいの牧場で、四季の移り変わりを楽しみながら、かわいい子牛や山羊、馬、猫たちがみなさんをお待ちしています!雄大な景色と元気いっぱいの動物たちの笑顔に、どうぞ癒されてくださいね。

お問い合わせはこちらから!

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