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日別アーカイブ: 2025年11月25日

第26回牧場雑学講座

皆さんこんにちは!
鷲頭牧場、更新担当の中西です。

 

導入価格はPLの“最初の一撃”。同じ舎・同じ飼料でも、導入品質×価格×導入時期で“ゴール(枝肉・歩留・格付け)”が変わります。F1(乳用×肉用)、交雑、和牛——それぞれの価格相場・季節性・リスクプロファイルを理解し、検疫・輸送・初期飼養の標準を整えることで、事故率と治療コストを劇的に抑えられます。

 

1)タイプ別の特徴と狙い🎯
• F1(乳×黒毛など):価格は比較的安定、増体良好、仕上げは赤身寄り。回転重視の設計に向く。
• 交雑:設計しだいで赤身と脂質のバランス。遺伝のばらつきに配慮し群内の均質化が鍵。
• 和牛:導入価格は高いが、BMSによるプレミアムで回収可能。遺伝×管理のブレを許さない運用が必要。

 

2)市場の季節性・購買戦略📅
• 子牛市場の波(繁殖季の偏り・行事・輸送条件)で価格が揺れる。
• 分散導入:価格高騰月の比率を下げ、平均取得単価を平準化。
• 飼槽の空き日数を短縮するため、導入→検疫→群入れまでの工程表を前倒しで準備。

 

3)購買時チェックリスト(リング横で使える)📝
• 体重・体高:年齢相応か、瘦せ・栄養不良はないか。
• 臍・便・鼻汁・耳:慢性下痢・肺炎サインの有無。
• 毛艶・被毛の立ち:脱水や栄養状態の指標。
• 歩様・関節:将来の蹄トラブルを回避。
• 由来:ワクチン履歴・初乳管理・母牛BCS。
• 血統:EBV/EPD(増体・サシ・産肉)や実績。

 

4)検疫・輸送・初期飼養🚚
• 検疫区画:30日を目安に隔離(最低でも14日)。空気は本舎と逆流しない配置。
• 到着後:まず水、次に粗飼料、最後に濃厚。直後の過給はNG。
• ストレス軽減:電解質水・ビタミン、環境は静かに暗め、群入れは段階的に。
• 疾病監視:到着48時間は2回/日の体温測定。

 

5)価格と品質の感度分析🧮
• 導入単価+2万円でも、ADG+0.05kg/日・治療率-10%・死亡率-1%が見込めれば、総利益はプラスになる場合が多い。
• 安値買いのリスク:治療費↑・仕上げ遅延・歩留低下の“隠れコスト”が膨らむ。

 

6)サプライヤー戦略🤝
• 固定取引先の育成:初乳管理・ワクチン・衛生の標準が揃った牧場から継続購入。
• 情報共有:出荷後の枝肉成績をフィードバックし、選抜・改良を共に進める。

 

7)遺伝の設計とブランド📐
• 和牛ではBMS・オレイン酸、交雑・F1では増体・歩留を重視。
• 地域ブランド(例:地域飼料活用・長期肥育)と紐づけ、差別化の物語を設計。

 

8)導入標準SOP(現場用)🧭
1. 購買1週間前:検疫房消毒→乾燥→資材準備(個体器具)。
2. 当日:到着→体温・呼吸・便確認→水→粗飼→濃厚の順。
3. 48時間:体温2回/日、食下量・反芻の記録。
4. 14〜30日:ワクチン・駆虫・耳標登録、群編成、徐々に本舎へ。

 

まとめ:導入は“価格の勝ち負け”ではなく総合設計の勝ち負け。品質×検疫×初期飼養で、肥育期の勝率は最初から決まります。📈🐂

 

鷲頭牧場では、畜産をもとにした加工や販売も行う6次産業型の牧場を運営しています!
私たちの牧場は、九州の「屋根」とも呼ばれるくじゅう連山のふもと、標高1000mの飯田高原にあります。ここで育てた安全で安心な食材を、農家レストランで直接みなさんにお届けしています。

広々とした自然いっぱいの牧場で、四季の移り変わりを楽しみながら、かわいい子牛や山羊、馬、猫たちがみなさんをお待ちしています!雄大な景色と元気いっぱいの動物たちの笑顔に、どうぞ癒されてくださいね。

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